Falcon Heavy、米国家偵察局の NROL-97 を打ち上げ NRO として初の Falcon Heavy
日本時間2026年10月2日12時54分、Falcon Heavy が米国家偵察局(NRO)の機密ミッション NROL-97 を打ち上げました。NRO が Falcon Heavy を使うのは初めてで、サイドブースター2本は発射場近くの着陸場に戻りました。
公開日
SPACE DECODE 編集部
What happened
何が起きたか
SpaceX の Falcon Heavy が、米国の偵察衛星を運用する国家偵察局(NRO)のミッション NROL-97 を打ち上げました。NRO は打ち上げの成功を発表し、NRO が Falcon Heavy で打ち上げるのは今回が初めてだとしています(NRO)。
When / Where
いつ・どこで
日本時間2026年10月2日12時54分(米東部時間10月1日午後11時54分)、米フロリダ州ケネディ宇宙センターの LC-39A から打ち上げられました(NRO)。
Key facts
確認できている事実
- NRO によると、ロケットは国家安全保障用の衛星(ペイロード)を軌道へ送り届けました。機密のミッションで、どんな飛行なのかはほとんど公表されていません(Spaceflight Now)。
- 2本のサイドブースターは、ケープカナベラル宇宙軍基地の着陸場 Landing Zone 1 と Landing Zone 2 に戻りました(NRO)。
- サイドブースターは8月30日の NASA ローマン宇宙望遠鏡の打ち上げで、フェアリング(衛星を包む覆い)は7月30日の NROL-95 の打ち上げで使ったものを再使用しました(NRO)。
- NRO によると、今回は米宇宙軍との打ち上げ調達の枠組み「NSSL フェーズ3 レーン2」で初めての打ち上げでもあります。
- 報道によれば、中央のコア(センターコア)は新品で、使い捨てにされました(Spaceflight Now)。
Why it matters
なぜ重要か
NRO はこれまで Falcon 9 で多くの衛星を打ち上げてきましたが、より重い衛星や遠い軌道に向く Falcon Heavy の利用は初めてです(NRO、Spaceflight Now)。国の安全保障に関わる大型の打ち上げで、Falcon Heavy の選択肢が広がったことを示しています(編集部の見方)。
NASA の科学ミッションで飛んだブースターを、約1か月後に安全保障ミッションで再び使った点も目を引きます。再使用が「試み」ではなく、機関をまたいだ日常の運用になってきた例といえます(編集部の見方)。
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要点はここまでです。ここからは、仕組みや経緯、今後の見通しを掘り下げます。
01NRO と NROL-97
NRO(National Reconnaissance Office、国家偵察局)は、米国の偵察衛星を運用する機関です(Spaceflight Now)。打ち上げは米宇宙軍の宇宙システム軍団(SSC)などと組んで行い、今回も SSC の部隊と SpaceX が共同で実施したと NRO は説明しています。
NROL-97 は機密のミッションで、どんな飛行なのかはほとんど公表されていません(Spaceflight Now)。
02再使用したブースターとフェアリング
NRO によると、今回のサイドブースター2本は、8月30日に NASA のローマン宇宙望遠鏡を打ち上げた Falcon Heavy で使われたものです。報道によれば、2本はそれぞれ2回目と4回目の飛行でした(Spaceflight Now)。
打ち上げ後、2本は発射場の方へ戻り、ケープカナベラル宇宙軍基地の着陸場に降りました(NRO)。フェアリングも、7月30日の NROL-95 の打ち上げで使ったものを再使用しています(NRO)。
NRO の担当者は、ローマンで使ったブースターの再使用によって日程の遅れをなくし、ミッションの確実性を確かめる作業を共有できたと述べています(NRO)。
03中央のコアを使い捨てた理由
Falcon Heavy は、Falcon 9 の1段目に相当するコアを3本束ねたロケットです。NRO によると、左右のサイドブースターは着陸場に戻り、中央のコアはミッションに必要なエネルギーに応じて、海上の無人船に着陸させるか使い捨てにするかを選びます。
報道によれば、今回は新品の中央のコアを使い捨てにしました(Spaceflight Now)。回収をあきらめた分の性能を衛星の打ち上げに回したとみられ、要求される性能が高いミッションだった可能性があります(編集部の見方)。
Context
背景
NRO によると、今回のサイドブースター2本は8月30日の NASA ローマン宇宙望遠鏡の打ち上げで飛んだものです。報道によれば、NROL-97 はこの日の SpaceX にとって3回目の Falcon の打ち上げで、ほかに Crew-13 の有人打ち上げと相乗りミッションがありました(Spaceflight Now)。Falcon Heavy の仕組みは Museum の「Falcon」ホール、これまでの全飛行は Launch Database で確認できます。
Sources / 出典
- 01NRO successfully launches NROL-97 aboard its first SpaceX Falcon Heavy mission(Release #11-26)(外部サイト)
National Reconnaissance Office · 宇宙機関 · 一次情報 · 2026.10.02 · 参照 2026.10.03
- 02Launch NROL-97(外部サイト)
National Reconnaissance Office · 宇宙機関 · 一次情報 · 参照 2026.10.03
- 03Falcon Heavy flies its first mission for U.S. spy satellite agency(外部サイト)
Spaceflight Now · 報道 · 2026.10.01 · 参照 2026.10.03