The MuseumHall 02
Falcon
再使用ロケットを、日常にしたロケット
1段目を着陸させて、また飛ばす。Falcon は再使用ロケットを定常的な運用にしたロケットファミリーです。その仕組みを順にたどります。
03 Stations · Updated 2026.09.30
01Overview
概要
Falcon は、軌道級ロケットとして世界で初めて再使用を実用化した、SpaceX の主力ロケットファミリーです。
中型の Falcon 9 と、Falcon 9 の9エンジン・コアを3本束ねた Falcon Heavy からなります。1段目には Merlin エンジンを使い、推進剤にはケロシン(RP-1)と液体酸素を使います。
人工衛星、国際宇宙ステーションへの補給、有人宇宙船 Dragon の打ち上げなど、幅広いミッションを担っています。2025年には Falcon 9 が1年間に165回打ち上げられました。
- 機体
- Falcon 9 / Falcon Heavy
- 全高
- 70 m(両機体)
- エンジン
- Merlin(Falcon 9 の1段目に9基)
- 推進剤
- RP-1(ケロシン)/ 液体酸素
- 再使用
- 1段目(Falcon Heavy では主にサイドブースター2本)
- 着陸
- ドローンシップまたは陸上の着陸場
FAQ — よくある質問
Falcon と Dragon は何が違うのですか?
Falcon は宇宙まで荷物を運ぶロケット、Dragon はその先端に載せて打ち上げる宇宙船です。Dragon は Falcon 9 で打ち上げられ、SpaceX によると最大7人の乗員と貨物を運べます。
Falcon 9 と Falcon Heavy はどう使い分けているのですか?
多くの衛星打ち上げや ISS への飛行は Falcon 9 が担います。Falcon Heavy は Falcon 9 の1段目を3本束ねた構成で、SpaceX の公表値では Falcon 9 の約2.8倍の重さを低軌道へ運べるため、重い衛星や惑星探査機などに使われます。
ロケット全体を再使用しているのですか?
SpaceX が再使用の対象として説明しているのは、1段目とフェアリングです。宇宙まで荷物を送り届ける2段目は、現在の Falcon では再使用の対象になっていません。
これまでに何回打ち上げられていますか?
打ち上げ回数は数日おきに増えていくため、この展示では固定の数字を載せていません。最新の回数と個々のミッションは Launch Database で確認できます。
02Size Comparison
大きさくらべ
東京タワーやジャンボジェットと、同じ縮尺で並べています。
- Starship全高 124 m
- 東京タワーの約4割の高さ
- Falcon Heavy全高 70 m
- 東京タワーの約2割の高さ。ジャンボジェットの全長とほぼ同じ
- Falcon 9全高 70 m
- 東京タワーの約2割の高さ。ジャンボジェットの全長とほぼ同じ
出典:東京タワー:東京タワーについて(東京タワー公式サイト)/Starship:Starship(SpaceX 公式ページ)/Falcon Heavy:Falcon Heavy(SpaceX 公式ページ)/Falcon 9:Falcon 9(SpaceX 公式ページ)/ジャンボジェット:747-400 Airplane Characteristics for Airport Planning(Rev F, 2.2.1 General Dimensions)
03Station · Vehicle
Falcon 9
主力の2段式ロケット
1段目を着陸させて再使用する運用を確立した、SpaceX の主力ロケット。
2段目を切り離したあと、1段目はエンジンを再び噴射して減速し、海上のドローンシップまたは陸上の着陸場に垂直に着陸します。2015年12月の ORBCOMM-2 で初めて着陸に成功しました。
回収した1段目を整備して繰り返し飛ばすことで、宇宙へのアクセスにかかるコストを下げています。2026年8月には、ブースター B1067 が37回目の飛行という最多記録を更新しました。
見るべきポイント
- 1段目の垂直着陸(2015年に初成功)
- ドローンシップと陸上着陸場
- 1機のブースターで37回の飛行(2026年8月)
- ドローンシップ
- — 海上でロケットの1段目を着陸させるための無人の船。
- RP-1
- — ロケット用に精製されたケロシン(灯油系燃料)。
04Station · Heavy lift
Falcon Heavy
3本のコアを束ねた大型ロケット
Falcon 9 の9エンジン・コアを3本束ね、より重い貨物を運べるようにした大型ロケットです。
中央のコアの両側にサイドブースターを取り付けた構成で、1段目だけで27基の Merlin エンジンを持ちます。打ち上げ後、サイドブースターは切り離されて発射場近くの着陸場へ戻ることができます。
実績のある Falcon 9 の設計を土台にしており、段の分離を最小限に抑えて信頼性を高める設計になっています。2026年8月には NASA の Nancy Grace Roman 宇宙望遠鏡を打ち上げました。
見るべきポイント
- 3本のコアと27基の Merlin
- サイドブースターの帰還と再使用
- NASA の大型科学ミッションを担う
- サイドブースター
- — Falcon Heavy の中央のコアの左右に取り付けた2本の1段目。分離後に発射場近くの着陸場へ戻り、再使用される。
- センターコア
- — Falcon Heavy の中央の1段目。サイドブースターの分離後も燃焼を続けて2段目を押し上げる。
05Station · Reuse
Reusability
再使用ロケットの仕組み
向きを変え、減速し、脚を開いて降りる。帰還には複数の技術が組み合わされています。
分離後の1段目は、着陸場へ戻る場合には向きを変えて噴射し(ブーストバック)、大気圏に再突入する際にも再びエンジンを噴射して減速します(エントリーバーン)。
降下中はグリッドフィンで姿勢を制御し、着陸の直前に最後の噴射と着陸脚の展開を行います。
見るべきポイント
- 噴射による減速(ブーストバック・エントリー・着陸)
- グリッドフィンによる姿勢制御
- 着陸直前の着陸脚展開
- ブーストバック
- — 分離後の1段目がエンジンを再点火して進行方向を反転させ、発射場近くの着陸場へ引き返すための噴射。
- グリッドフィン
- — 細い板を格子状に組んだ操舵翼。角度を変えて機体にかかる空気の力の中心を動かし、再突入中の向きを制御する。
06Flight Timeline
開発と飛行の歩み
Falcon は、使い捨てのロケットから、着陸と再使用を日常にしたロケットへと進化してきました。個々の打ち上げ記録は Launch Database から表示します。
- Phase 01
初期の飛行
2010年6月の初飛行から、使い捨てのロケットとして打ち上げを重ねた段階。
- Phase 02
着陸の実現
2015年12月に陸上、2016年4月にドローンシップへの初着陸に成功した段階。
- Phase 03
再使用の実用化
2017年3月、回収した1段目を初めて再飛行させた段階。
- Phase 04
有人飛行と高頻度化
2020年5月に初の有人飛行。2025年には Falcon 9 が年間165回打ち上げられた段階。
Records — 打ち上げ記録
すべての記録 →- 機体 Falcon 9ミッション Crew-13出典(NASA、外部サイト)予定
- 機体 Falcon 9ミッション Starlink 10-49出典(Spaceflight Now、外部サイト)成功
- 機体 Falcon 9ミッション Inspiration4出典(SpaceX、外部サイト)成功
- 機体 Falcon 9ミッション Crew Demo-2出典(SpaceX、外部サイト)成功
- 機体 Falcon 9ミッション SES-10出典(SpaceX、外部サイト)成功
- 機体 Falcon 9ミッション CRS-8出典(SpaceX、外部サイト)成功
- 機体 Falcon 9ミッション ORBCOMM-2出典(SpaceX、外部サイト)成功
- 機体 Falcon 9ミッション COTS Demo 2(C2+)出典(SpaceX、外部サイト)成功
- 機体 Falcon 9ミッション Falcon 9 初飛行出典(SpaceX、外部サイト)成功
07Live
最新状況
08Related Data
関連データ
Total Launches(累計打ち上げ回数)
703回
2026.09.30 参照日 · 出典 SpaceX
SpaceX 公式サイトのカウンターが示す累計打ち上げ回数(うち Falcon 9 が688回、Falcon Heavy が13回)。集計範囲の詳細は公式サイトに明記されていません。
Booster Landings(ブースター着陸・回収回数)
Vehicle Data — Falcon 9 の主要諸元
- 現在の状況
- 運用中
- 段数
- 2段
- 推進剤
- RP-1(ケロシン)/ 液体酸素
- エンジン
- Merlin(1段目9基・2段目 Merlin Vacuum 1基)
- 再使用
- 1段目を再使用
- 全高
- 70 m
- 直径
- 3.7 m
- LEO 投入能力
- 22,800 kg
- GTO 投入能力
- 8,300 kg
数値スペックは、出典を確認したものから順次追加します。
Hall sources / 出典
- 01Falcon 9(SpaceX 公式ページ)(外部サイト)
SpaceX · 公式 · 一次情報 · 参照 2026.09.30
- 02Falcon Heavy(SpaceX 公式ページ)(外部サイト)
SpaceX · 公式 · 一次情報 · 参照 2026.09.30
- 03ORBCOMM-2 Mission(SpaceX)(外部サイト)
SpaceX · 公式 · 一次情報 · 2015.12.22 · 参照 2026.09.30
- 04SES-10 Mission(SpaceX)(外部サイト)
SpaceX · 公式 · 一次情報 · 2017.03.30 · 参照 2026.09.30
- 05NASA Astronauts Launch from America in Historic Test Flight(外部サイト)
NASA · 宇宙機関 · 一次情報 · 2020.05.30 · 参照 2026.09.30
- 06SpaceX, China drive new record for orbital launches in 2025(外部サイト)
SpaceNews · 報道 · 参照 2026.09.30
- 07SpaceX launches Starlink mission on a Falcon booster's record-breaking 37th flight(外部サイト)
Spaceflight Now · 報道 · 2026.08.24 · 参照 2026.09.30